クロヤマアリ
クロヤマアリ(学名:Formica japonica)は、おそらく私たちが最もよく見かける蟻の仲間だと思います。
普通、街中で見かけるいわゆる「クロアリ」は、だいたいの場合このクロヤマアリです。
クロヤマアリは日中活動する際に明るい場所を好むので、そのため街中でも頻繁に見かけることができます。
一般にアリは甘いものを好むように思われています。確かに甘いものも大好きですが、彼らは雑食性ですので何でも餌にします。
他の昆虫の死骸や抜け殻などを処分したり、時には生きている虫を襲ったりもします。実はあらゆる昆虫の中でも、他の虫から最も恐れられている昆虫の1つなのです。
余談になりますが、砂糖などを部屋においておくとどこからとも無く侵入してくる小さなアリがいます。
彼らはアミメアリと言って、全く違う種類のアリです。頻繁に引っ越しをする習性があるためか非常に集団行動が得意で、部屋の砂糖を見つけようものならあっという間に仲間を呼び寄せて行列を作ってしまいます。
こうなると、なかなか追い払うことができません。
アリといえば、「アリとキリギリス」の話でよく知られるように働き者のイメージがあります。
実際、素早く歩き回りながら餌を持ち帰ったり、巣を大きくするために土を運んで捨てたりする様子を見ていると、まさに働き者!という感じがします。
ところが、必ずしも働き者ばかりが集団を作っている訳ではありません。ハチやアリのように、たくさんの仲間が集団になって作業を分担して生活する昆虫を社会性昆虫と言います。
この社会性昆虫の集団の中には、必ず「何もしない」仲間が混ざっているのです。この仲間は、本当に何もしません。
ただ他の仲間が餌を持ってくるのを待っていて、それをもらうだけです。
集団が生き残るためにはこういった怠け者は居ない方がいいに決まっているのですが、必ずこういう仲間がいるというのは何とも不思議なことです。
さらに不思議なことには、これらの怠け者を集団の中から取り除いてみると、今まで働いていた働き者が怠けだして、また元通り一定の割合の仲間が怠けるようになってしまうのです。
どうしてこうなってしまうのかについては、仲間が生き残るために必要だという説もありますが、まだはっきりわかっていません。
さて、こんなにも身近なのにミステリアスなクロヤマアリですが、実はなかなかの人気者です。
彼らは大変よく巣を作る習性があり、同じ巣の仲間を何匹か捕まえてきて砂を入れた容器に離してやると、二日前後で小さいながら立派な巣を作ってくれます。
最近では専用の飼育セットもあって、透明の培地にアリを放してやることで巣の様子がよく分かるようになっているセットもあります。
この培地はアリが巣を作るための地面の代わりになるばかりか、栄養分も豊富でアリの餌にもなるという代物で、宇宙でアリがどのように巣を作るのか調べるためにも利用された優れものです。
これさえあれば、比較的簡単にアリの飼育をすることができます。皆さんも、普段道ばたで何気なく見かけるアリたちの生活に、迫ってみてはいかがでしょうか。